台湾の各種祭祀式典中、地域寺院の新築や再建落成を祝って行なわれる「慶成醮」が最も重視されています。一方、地域の寺院が集落にとり信仰の中心であることから、民衆は地域寺院の盛衰が全体の運命の福災に関係すると信じています。もう一方で、地域の寺院はしばしば、数十年を経てようやく大規模な修復を行います。そのため、これは集落中にとり大事件で、通常「慶成醮」は地域の大イベントとなります。

祭壇の空間配置は、まず国暦5月25日に豎灯篙(灯りをつけた竿を建てる)儀式を行います。そしてすぐ、天地神と境界内の信者たちが召されて、祭祀の儀式が正式が展開します。次に外壇を建てます。五大壇は同時に国暦5月30日に施工し、主壇は保安宮前方の庭園に設けられる玉皇壇で、MRT円山駅の横の公園に観音、福徳、天師、北帝などの四大壇が設置されます。

祭壇の科儀(儀式)の準備については、古代からの礼式に基づく堅実な内容で3日間、執り行う以外、北部地区の道術に優れた道長で構成された道士団も招待します。そのメンバーは普段宮に駐在し服務する李継昌道長が主壇を担当し、このほか基隆広遠壇の李松渓道長を鑒壇大法師に、李松渓道長の子李坤道長を副主壇に招聘します。

祭祀の儀式の主な特徴は、式典中の「安竜謝土」の科儀に勝るものはなく、主な目的は宮廟の修築期間邪魔された土地竜神を落ち着かせて、廟の基礎を堅固にさせることです。この科儀は75歳もの高齢の李松渓道長自らが主宰します。

安竜謝土の後、引き続いてすぐ、3日3晩行なわれるのが三朝醮典科儀です。その主な目的は壇の主人らの罪を解いたり、幸福を祈ることです。また廟の栄光や線香の火を盛んにしたり、穏やかな天候、国の太平と人々の平安も祈ります。祭祀の式典の儀式は非常に多く、その重点は、1日目の午前の発表、啓請、安灶と夜間の解結、祝灯;2日目の日中の三朝科儀と夜間の放水灯、開啓、禁壇;3日目の午前の敬天と午後の普度です。普度の後、跳鍾馗押狐の儀式を行います。

6月17日午前10時の三献礼の祭典に参加した来賓には、陳水扁総統、王金平立法院長、馬英九台北市長、呉碧珠台北市議会議長など、政府や国会議員、市議員など民間代表と寺院代表400人あまりを含みます。

当宮の三朝慶成醮に合わせて、関連の活動も開催します。醮典シリーズの講座、台北市立美術館で国際的に有名な撮影家柯錫傑が撮影した保安宮の作品、民俗技芸セミナー、および手工芸品展、醮壇芸術のガイドなどを包括します。